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広い意味での、グループ意思決定に興味があります

グループの答えを探すことにとどまらず、グループを構成するメンバにとっての答えや決定までのプロセスに目を向けていきたいと考えています。
みなさんは効率的で合理的とされるプロセスやそうして導かれた結論に違和感を抱いたことはないでしょうか? 意思決定を行うのはわたしたち人間であり、またその先で行動するのも恩恵を受けるのもまた人間です。 合理化数値化一辺倒になりつつあるわたしたちの当たり前を疑うことを思考の背景に持ちながら、数学や工学の視点で、政策や経営を科学的に取り扱い、その先の人間の行動をデザインするまでを視野に入れた研究を目指しています。      

グループの意思決定

公私ともに、まったく個人で意思決定する機会よりも、家族?友達、会社?チーム、社会など、大小かかららずグループでの意思決定を余儀なくされることが多いはずです。 クラウドソーシングが注目され、人が集まることで良い解が導かれることは、社会学?心理学的アプローチによりある程度は認知?実証されてきています。 このメカニズムを、どうにかうまく数理的モデルで表してみたいと思いませんか。 なんとなく感じていること、当たり前として受け入れていること、普段は考えずに通り過ぎていること、そういった定量的に客観的に測定しにくいものを測定して見える化することができれば、そこにある知識をみんなで共有できて幸せではないでしょうか。 もちろん対象は、私的な意思決定にとどまりません。 公的な政策や経営の意思決定プロセスや、その実践?遂行の局面までも支えるべく、常に立ち止まって、何のために必要なのか?本当の目的は何か?と問い続けています。

個人の意思決定

個人の意思決定でだれも逃れられないのは、キャリアに関することかもしれません。 人生100年時代、VUCA、DX/GX/SXと、わたしたちを取り巻く環境はなにかと変化が大きく多い時代になっています。 この環境下で、自分で将来を考えて選択しなければならない機会は増えいるでしょうし、その選択肢の幅も、進学、就職だけでなく、転職、起業、副業、ボランティア活動などと広がりをみせています。 よりよいキャリア選択を行うためには、変化に富んだ不確実性がつきまとう社会だからこそ、折に触れて自己理解をすることが大切です。 これまで、人間の主観的判断や評価、多様性や多面性に目を向けて研究を続けていました。 理論に裏付けされたあいまいさの取り扱いには自信があります。 自己理解は極めて個人的な作業なので、統一的で画一的な評価手法でカバーしきれないところがあります。 これまで培ってきた知見を活かして、決していい加減ではない、でも、人間らしさがある評価手法で、自己理解の支援を目指します。

多様性

グループが大きくなるほど,その意見をひとつにまとめるのが難しくなるというのは、日常生活の様々な場面で実感するところです。 最近の主な研究テーマは,グループメンバの多様性というあいまいさを効果的に反映して、グループの決定やグループ内のメンバの意見を探ることです。 ひとことで,グループ決定といっても、その理想的な在り方は、場面ごといろいろな形がありそうです。 とにかくいろいろ集まればそれでよい、ということもなさそうなので、目の前にあるのはどんな多様性なのか、そして、ここで必要なのはどんな多様性なのか、少し哲学的なテーマに科学的アプローチで取り組んでいます。

個性

単独ではなくグループであることのメリットは、多様な意見を集約した見解に到達できることだけではないかもしれません。 グループに属する各メンバは、合意形成の過程で、他のメンバから、「朱に交われば赤くなる」と言われるように、良くも悪くも影響を受けることになり、自らのことを深く知る機会にもなるはずです。 また、マーケティングでは、市場をグループ化(セグメンテーション)して戦略を立てる一方で、1 to 1マーケティングやオーダーメイド型マーケティングといった、各個人への注目度が高まっています。 個人の特徴や嗜好といった個性を知るためには、その人にまつわる多面的な大量のデータを収集?分析するだけでなく、その人を別の人やグループと比較することもまた有効でしょう。

あいまいさとモデル

これまで、よく知られた意思決定や評価の手法である包絡分析法(Data Envelopment Analysis)や,階層化意思決定法(Analytic Hierarchy Process)に関する研究に取り組んできました。 特に、これらの手法を発展させ、評価視点の多様性を考慮した区間DEAや、与えられる情報の不整合性に着目した区間AHPを提案しました。 ここで用いている「あいまいな現象を表現するには通常のような実数値より区間値のような幅を持ったあいまい評価が適している」という考え方は、区間回帰分析に端を発しています。

外国語学習

外国語の文章を読み書きする場面に遭遇したらどうしていますか? 持ちうる外国語知識を最大限活用して自力でトライして、可能であれば添削を依頼したり、便利な自動翻訳ツールを使うことも多いでしょう。 ただ、読み書きが文章を介した人と人とのコミュニケーションだとすると、書き手の個性(特徴的な表現や好んで使う表現など)が損なわれた文章では、そうしたコミュニケーションツールとしては不十分な場合があります。 また、外国語であるが故に、母語話者からすると,間違いではないが適切でもないというあいまい表現も存在します。 添削したりされたりするとき、自動翻訳をするとき、こういった個性を反映するにはどんなアプローチがあるのでしょうか。
翻訳ツールの技術?性能の向上は著しく、高性能な翻訳ツールを使えば、だれでも気軽に外国語の文章を読み書きができます。 できあがった文章が、自らが本当に表現したい事柄になっているとも限らないので、外国語学習が不要かというと、そうとも思えません。 デジタル化社会において翻訳ツールから隔離した語学学習は現実的ではないものの、こういった技術?利便性を積極的に受け入れた外国語学習の方法は、これまでと同じというわけにはいきません。 学習者も教育関係者もそれぞれに感じていることを、定量的に分析することで、翻訳ツールが外国語学習の際に与える学びのヒントを見つけていきたいと考えています。

これまでの博士論文/修士論文/卒業論文

(学)区間 MACBETH–論理矛盾を区間で表現する–
(学)ふるさと納税における使途と返礼品の分析–兵庫県のデータから読み取る–
(学)ギャンブル依存症の原因に関する研究
(学)SAT を用いたブロック暗号Midori の差分
(学)評価方法の違いによる意思決定の変化
(修)性質が異なるデータを用いた多基準意思決定分析手法の提案
(博)Local Perceptions toward REDD+ Project Development and Implementation - Case Studies in Cambodia
(修)意識調査を対象とした質問文自動分類モデルの構築–住民満足度の自治体間比較を目的として–
(修)行政効率性と住民満足度を活用した地方自治体評価の試み―兵庫県内の市町を例として―
(修)外国語作文能力向上のための外国語作文と添削作文の比較
(修)混雑解消のための人流シミュレーション―生田神社の初詣を例にして―
(修)中国語エッセイに関する読み手の好みの抽出
(修)能動的学習実践に向けたICT活用の可能性と課題
(学)やる気をアップさせるリーダーシップについての考察
(学)キャラクター作成支援システム
(学)企業レピュテーション調査とアプローチ方法への発展
(学)インターネットを介した新たな娯楽とのかかわり方
(学)少年による殺人事件の傾向と対策
(学)新規就農者の意思決定支援システム
(学)直感マーケティング
など

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