全ての土台としての人間理解
「全ての人に豊かな暮らしと環境を。」
この目標を実現する上で重要なのが、「人間に対する深い理解」だと私たちは考えます。人間の心はどのように揺れ動くのか、身体はどのようなメカニズムで健康を維持しているのか、人々は一生の中でどのような困難に直面し、それをどう克服していくのか、何に幸福を感じ、何を恐れるのか、いきるためにどのような環境が必要なのか。このような深い人間理解なしに、これからの時代の暮らしと環境をデザインしていくことはできません。
そして、大学でどのような専門分野に進もうと、また、将来どのような業種?職種で働くことになっても、日常生活をおくる上でも、深い人間理解は課題を解決していく際の土台となるはずです。このような考えから環境人間学部では、学びの基軸に人間学を据えています。
人間学科目
環境人間学部のカリキュラムでは、1年次に専門的な学びの土台として、人間学シリーズを設けています。人間の心と身体、暮らし、それを取り巻く社会?文化環境、自然環境について幅広く学ぶ、本学部の基幹的科目群です。以下にその一部を紹介します。
人間の一生を生涯発達の立場からながめ、生涯にわたる心身の成長や発育、発達について、教育学、心理学、健康科学の視点から学びます。
1.赤ちゃん
2.幼児期の子どもの世界
3.学童期の子どもの学びと育ち
4.子どもと成人の身体機能
5.高齢者の身体機能
6.環境変動と人間の進化
7.動物の親子関係
8.育つとは
9.こころのとらえ方
10.こころと認知発達
11.こころと社会的発達
12.こころとは何か
13.こころはなぜ病むのか
14.こころの癒し
15.こころとからだの関係、まとめ
生活空間、家庭、福祉など生活と環境に関わる様々な事象からライフデザインを考え、よりよい自己実現と社会参加を達成する方策を考究します。
1.ガイダンス
2.人と住居環境
3.都市景観と生活
4.ジェンダーと空間計画
5.生活を豊かにする建築意匠
6.家族形態と住まい
7.住まいと環境の相互浸透性
8.住まいの安全性
9.動物の食と人間の食
10.食と家族関係
11.生活の中の食
12.食生活の現状とこれから
13.防災、減災への対応
14.社会福祉と生活
15.振り返りとまとめ
暮らしを左右する社会?文化的な環境(コミュニティ、まち、経済、福祉、言語、歴史など)を学び、そのあるべき姿について考えます。
1.ガイダンス
2.人間を育むコミュニティ
3.コミュニティの過去?現在?未来
4.暮らしを支えるまちの空間
5.まちの空間のマネジメント
6.労働と生産の場としての企業?産業
7.市場と公共サービス?規制
8.暮らしの困難と社会福祉
9.人生を支える社会保障
10.言語と国家システム
11.英語の覇権
12.多言語空間の生成
13.東アジアの歴史記憶
14.東アジアの戦後
15.東アジアの和解への道
自然界の大気、水、土壌環境とヒトを含む生物集団の成り立ちと関係を学ぶことで、ヒトと自然の共生の在り方について考えます。
1. ガイダンス
2. 地球で何が起こっているのか?
3. リスク=ハザード×脆弱性×暴露
4. 地球温暖化対策の現在:緩和と適応
5. 地球温暖化と住まいの関わり
6. 水環境と人間活動の関わり
7. 水-土-大気のつながりと物質循環
8. 環境破壊と人間活動
9. 環境破壊とその予測
10. 病原生物と人間の相互作用
11. 生物の行動
12. 生物多様性のメカニズム
13. 生態系の仕組みとなりたち
14. 生態系サービスが支える人間社会
15. まとめと最終課題
※各科目の内容は多少、変更される可能性があります。